第4章 占いは信じなくても当たる時は当たる・後沖田視点【星の砂⭐︎】
『やめた…って?』
俺の言葉に訳がわからないといった顔をする大石
少し歩いたところで立ち止まり、俺は彼女に振り向いた
「今のお前を…旦那に会わせたくねェんでィ」
俯き、大石の両手を握り同じ目線までしゃがんだ
『…どうして?』
子供って奴は本当に恐ろしいと改めて実感する
真っ直ぐ見つめるその大きな瞳はまるで俺の気持ちさえも見透かしているような、そんな気にさせやがる。
でもそれは、実際気がするだけで
コイツは俺の気持ちなんかきっと知りもしないだろう。
『そー…くん?』
「いや…
忘れろィ」
パッと大石の手を離し、腰をあげた
「それよりもうじき日暮れだ…そろそろ帰ろうぜィ」
そう言うと大石は少し遠慮がちに頷いた
『あ…でもその前に…』
「…?」
『さっきのみたらしは買ってきてね』
「あ…。」
大石がガキになって改めてわかったことが1つ。
こいつの食い意地は例えシリアスモードであっても健在であるということだ。