第4章 占いは信じなくても当たる時は当たる・後沖田視点【星の砂⭐︎】
その後、未だ言い合いを繰り広げる俺と大石に眠そうに欠伸をしながら山崎が近づいてきた
「沖田隊長…こんな朝っぱらから庭の前で何喧嘩なんかしてるんですか」
「喧嘩じゃねェ、しつけでィ」
「?はぁ…」
山崎は視線を俺から大石に移し、彼女と同じ目線までしゃがんだ
「おはよう結衣ちゃ……ってあれ?
何かまた昨日より小さくなってない?」
「今朝起きたらまた縮んでやがったんでィ」
「えぇ!?まじっすか!?」
俺の言葉に驚いて山崎は再度大石を見つめた
「やっぱりか…」
ボソッと呟いた野郎の一言に俺は眉間に皺を寄せた
「やっぱりって何でィ」
「実は…昨日副長と例の薬物について主犯格の男の取り調べを行ったんですけど、わかったのは結衣ちゃんが浴びた薬の粉にはやはり地球外成分が含まれていたことと …他に被害を受けた地球人がいるという情報はまだ1つもない、ということだけでした」
「…土方さんの話だと身体にも相当な負担がかかってるらしいな」
「ええ…あ、でも命の危険は今のところ無いとの情報です!ただ…」
そこまで言いかけて山崎は言葉を詰まらせた
「ただ…なんでィ?」
「…主犯格の男が結衣ちゃんがいつ元の身体に戻るかはわからないって言ってたんです。…戻るどころか、これから更に退化していくかもしれないし…もしかしたらこのまま一生戻らないかもしれない…と」
俯く山崎から視線を隣に立つ大石に移す
「ま、原因がわかっても治す薬がねェんじゃどうしようもねェだろィ」
「沖田隊長…」
「身体はともかく、記憶だけでも戻す方法はねェかと思って今から巡回にこいつも連れて行こうと思ってんだけど…」
言いながら再び大石に目を向けると彼女はグイッと山崎の袖を引っ張った
『着る服がないの…』
そう言って俯く大石に山崎は一瞬何か考える素振りを見せると、
「そうだ!ちょっとこっちにおいで結衣ちゃん」
大石の手を取り、俺にここで待つように言ってから駆け足でその場を後にした