第4章 占いは信じなくても当たる時は当たる・後沖田視点【星の砂⭐︎】
次に目を覚ますと日はすっかりと落ちていて、俺は1つ欠伸をしてその場から起き上がった
部屋の壁に掛けられた時計が夕食の時間を指していることに気づき俺はすぐ様部屋を出て食堂へ向かった
それにしても寝過ぎたな…土方さん達ももうとっくに戻ってる頃だろう。
それによく覚えてはいないが、とてつもなく奇妙な夢を見た気がする。
「なんだっけ…」
夢の内容を思い出しながら縁側を歩いていると、突然突き当たりから現れた何かに勢いよくぶつかった
「…!」
その瞬間、目に映ったそれは実によく身に覚えのある顔で…。
『あ…あの…ごめんなさい』
あ…
『あ…あの…?』
コナンだ…。
思わずそう呟きたくなるほど信じ難い光景だった
『……?』
あれ…
俺、さっきまで何を思い出そうとしてたんだっけ。
尻餅をついて俺を見上げるその姿を見た瞬間、先程まで思い出しかかっていた夢の内容は一気にどこかへ吹っ飛んだ
「…。」
『わッ!ちょ…いたたたたた!!』
首を傾げながらまん丸い目で俺を見つめるその姿に一瞬嫌な汗を掻いた俺は無言でその首根っこを掴み、小走りで皆のいる食堂へと向かった
「おう来たか総悟!今日のカレーは美味いぞ!」
呑気に夕飯を食べる近藤さんの前に首根っこを掴んだままガキの姿を差し出した
「近藤さん、誰ですかィ…このガキ」
すると近藤さんをはじめ、周りにいた隊士たちは一斉にその場に固まった
『ちょ、ガキじゃない!私にはちゃんと大石結衣って名前があるんだから!!』
「は?何言ってんだオメー」
見た目10~12ってとこのガキの言葉に俺は眉間に皺を寄せた
「そ、総悟…もしかしてその子は…」
言いながら近藤さんはガキの容姿をまじまじと見つめる
「…近藤さん?」
頭にハテナを浮かべていると傍にいた土方さんが俺の肩に手を置き、言いにくそうに顔を歪めた
「実はな…」