第3章 占いは信じなくても当たる時は当たる・前 【星の砂⭐︎】
その後病院に運ばれた私は薬の作用や身体の異常などを調べる為様々な検査を受けたが、結局治療薬や原因は見つからず数日間様子をみることとなった
屯所に帰ると事情を知らされた局長達が心配し、慌てて駆け寄って来た
「結衣…お前、身体は大丈夫なのか?」
局長の言葉に頷くと傍にいた原田隊長が勢いよく私の肩を掴んだ
「大石っ!お前って奴はほんと…何で毎回こんな目にククッ…」
『あの原田隊長…もしかして笑ってません?泣きながら笑ってません?』
俯き肩を震わせて笑う原田隊長に若干の苛立ちを覚える
「結衣ちゃん…身体は縮んでるのに記憶はちゃんと残ってるんだね」
『そうですね…今のところは身体以外に特に変化はありませんし…』
私と山崎さんの話に近藤さんが思い出したように言った
「そういえばトシ、医者の話で今の結衣が年齢でいうと丁度14歳くらいに当たるってのは本当か?」
「あぁ…それに薬の効果も1日やそこらじゃ消えねェらしい。今は何ともなくてもそのうち身体以外にも異変が起きるかもしれねェってよ…」
副長の言葉に私は眉間に皺を寄せ俯いた
14歳ってことは…4年分身体が戻ったってこと?
でも身体以外の異変って…一体何なんだろう…。
- この箱の中身に触れるとお前さんはじわじわと苦しむハメになるぜ -
ま、まさか…死!?
「大丈夫か、結衣」
主犯格の男の言葉を思い出し顔が青ざめる私を局長が心配そうに見つめる
『あ…だ、大丈夫です!身体は少し縮んでますけど、仕事は全然出来ると思いますから!』
「つってもなぁ…隊服もブカブカだし、また何か異変が起きるかもしれねェだろう?…特別に許可を出すから今日はもう休んだらどうだ?」
『えっ…いや、全然大丈夫ですから!それに午後の仕事までまだ30分もありますし、今から部屋で少し仮眠でも取れば平気ですよ!』
「だ、だが…」
局長達の呼び止める言葉を無視して慌てて部屋を飛び出した
そうだよ…部屋で少し休めばこの身体も元に戻るかもしれない!
勢いよく襖を開け自室に入ると、同時に再び例の頭痛に襲われた
『う…クッ!』
…まただ。
痛む頭を押さえながら私は部屋に敷かれた布団の上に横たわった
『…身体が…熱い』
私は一体…どうなってしまうんだろう。