第3章 占いは信じなくても当たる時は当たる・前 【星の砂⭐︎】
その後、山崎さんが連れて来た隊士達により主犯格の男は逮捕された
「オイ結衣!大丈夫か!?」
「結衣ちゃん!怪我はない?」
『ゲホッ…だ、大丈夫なわけないじゃないですか!バズーカの挟み撃ちなんて直に食らったら普通は死にますよ!?』
慌ててこちらに駆け寄る副長と山崎さんに怒りながら頭や身体に乗った埃を払う
「あれ…結衣ちゃん?」
『…何ですか?』
頭にハテナを浮かべる私を副長と山崎さんは驚いた表情で見つめる
「お前…本当に結衣か?」
『はぁ?何訳わかんないこと言ってるんですか!どう見たって私…は………』
言いながらその場に立ち上がる私を副長は先程と同じ表情で見下ろす
…あれ?
『副長、山崎さん…背…伸びました?』
「いや、つーか…
お前が縮んだんじゃね?」
副長の言葉に一瞬嫌な汗を掻いた私は慌てて自身の身体に目を向けた
ま、まさかさっきの衝撃の時に犯人が持っていた薬が!?
そんな…でも口に入ったわけでもないのにどうして…。
「と、とにかく一旦屯所に戻るぞ。お前が縮んだ原因はそれからだ」
副長の言葉に頷き傍に落ちた刀を広った次の瞬間、
『ぅぐッ…』
「結衣ちゃん!!」
突然激しい頭痛に襲われその場に蹲った
「オイ結衣!大丈夫か!」
『くッ…はぁっ』
何これ…身体が…熱い。
息が…できないっ
「副長!結衣ちゃんがっ…」
「山崎、至急車を呼べ!こいつを病院に連れて行く」
「は、はい!」
どうしよう…ほんとに私、死ぬのかな。
まだ…私にはやるべき事がたくさんあるのに…
こんなところで…死ぬわけにはいかない…のに!
薄れゆく意識の中、ゆっくりと閉じた瞼の奥に映ったのはあの頃と何一つ変わらない優しい笑顔の
- 結衣!-
[誰か]の姿だった。