第3章 占いは信じなくても当たる時は当たる・前 【星の砂⭐︎】
[オィイイイ!!お前が逃げてどうすんだ!!]
『だって奴の持ってる箱の中身がもし危険薬物だったら私死んじゃうかもしれないじゃないですか!!』
[アホか!さっきまで死を怖がる資格ないとか言ってただろうが!]
『そ、それは大切な人を護って死ぬって意味で薬物なんかで死ぬのは絶対御免ですよ!!』
犯人を間に、走りながら無線でやり取りをする私達
[結衣!いいから一旦止まれ!!]
『嫌です!今止まったら振り向く前に殺られます!!』
そう、足の速い犯人と私との差はもう3メートルも無い
振り向くこともせず、私は目の前の道をただ突っ走ることしか出来なかった
すると次の瞬間、
『ぐぁッ…』
小さな石に躓き私はその場に盛大に転んだ
何でこんなところに石!?ほんとにツイてなさすぎる!!
犯人に殺られるのを覚悟し、目を固く瞑ったその時、
「今だ、撃てー!!!」
副長の合図と共に私の後方から犯人に目掛けて一斉にバズーカが撃たれた
『ちょ、危なッ!私もいるんですけど!?』
無数の砲撃を避けていると、煙の中に犯人の男の姿を見つけた
『待て!逃がすもんですか!!』
「クソッ、離せ!!」
抵抗する男の腕を必死に掴み、逃すまいと阻止する
「お前…この箱が何の箱かわかってんのか?」
『さぁ…毒か何かでも入ってるの?』
私の言葉に男は薄気味悪く笑う
「毒なんてそんな可愛いもんじゃねーよ」
『え?』
「安易に俺にもこの箱にも触れねェ方がいい。この箱の中身に触れるとお前さんはじわじわと苦しむハメになるぜ…」
『じわじわと…苦しむ?』
男の言っている意味がわからず頭にハテナを浮かべる私の頭上で再び大きな爆発が起きる
そして次の瞬間、
「結衣ちゃん危ない!!」
「避けろ!結衣!」
『え?』
副長と山崎さんの声がした方に振り向くと私と犯人に目掛けてバズーカが撃たれた
『ぎゃあああ!!!』
爆発の衝撃で犯人の持っていた箱が宙に浮く
浮いたと同時に飛び散った中身がスローモーションのように私の頭上に舞った
『…うそ』
- 残念、今日1番ツイていないのは〇〇座の方です -
あぁ…やっぱりあの占い…当たってる。
そういえば…
- ラッキーアイテムは傘! -
『傘…持ってくるの忘れてた』