第3章 占いは信じなくても当たる時は当たる・前 【星の砂⭐︎】
『こちら大石、どうぞ』
[あ、結衣ちゃん!…てことは副長も一緒だよね?]
この声は…山崎さんだ。
『はい、今朝は副長と見回りだったので…何かあったんですか?』
[うん…実はたった今例の件について敵の居場所がわかったんだ!奴は今1人だからかなり警戒してるみたいだけど、 仲間が来る前に捕らえる方が得策かもしれない]
例の件…?
山崎さんの言葉を聞きながら土方さんに目を向けると血相を変えた彼に持っていた無線を勢いよく奪われた
「オイ山崎、奴の居場所がどこか今すぐ教えろ」
[はい、奴はターミナル付近の今は使われていない10番倉庫にいると思われます]
「わかった、俺達も今からそっちに行く。お前は奴の動きを見張りつつ他の隊士達とその場で待機していろ」
[はっ!]
え…俺達?
山崎さんとの通信を終え、赤信号で停車した副長に恐る恐る目を向ける
『あの…副長、今から行くって…。餡蜜は?』
「決まってんだろ、予定変更だ。飛ばすからしっかり掴まっとけよ」
『え…?ぐはっ』
次の瞬間、副長が思いっきりハンドルを切り車をUターンさせた為、私は横の窓に顔面を強打した
「とうとう待ちに待ったこの時が来たぜ…行くぞ結衣!」
『いやぁああ!お願いですから安全運転でえええ!!!』
その後、全く状況が掴めないままの私を乗せ、車は甘味屋とは真逆の方へと走って行った