第3章 占いは信じなくても当たる時は当たる・前 【星の砂⭐︎】
「…飯でも食うか」
『え!?』
突然土方さんが呟いた一言に私は驚いて振り向いた
「時間も時間だし、お前も腹減ってんだろ?」
『あ…ま、まぁ…』
確かにお腹は空いてるけど、土方さんとのご飯は必ずと言っていいほどマヨネーズのかかった何かを食べさせられるからあまり気が進まない
溜息をつく私に土方さんは言った
「安心しろ、今日はマヨ丼食えなんて強制はしねェよ」
『えっ…ほ、ほんとですか!!』
「あぁ、何ならお前の好きな餡蜜でも食わせてやる」
えええええ!?
こ、これは都合の良い夢か何かだろうか。
『副長…どこかで頭でも打ったんですか?』
「斬るぞ」
再び土方さんの額に青筋が浮かんだのを確認し、慌てて口を閉じた
『で、でも何か餡蜜が食べられるって思ったらますますお腹空いてきちゃいました』
そう言って苦笑いを浮かべる私に土方さんもクスッと笑う
それにしても土方さんが餡蜜を奢ってくれるなんて今日は最悪の日どころかめちゃめちゃツイてる日なんじゃないのかな。
占いって言っても所詮は運や確率だし、100パーセント当たるなんてそんな漫画みたいなことあるわけないよね。
1人納得し頷いていると突然車内にある無線が音を鳴らす
『副長、無線鳴ってますよ』
「あぁ、今運転してっから代わりにお前が出ろ」
『了解です』
土方さんに言われた通り目の前の無線を手に取った