第3章 占いは信じなくても当たる時は当たる・前 【星の砂⭐︎】
その後は再び土方さんにしばかれた私が渋々助手席に座ることとなり、運転席には瞳孔を開きながらニコチンを摂取する彼が座ることになった
「…」
イライラモードの土方さんだ…これはきっと良くないことが起きるに違いない。
『副長、あの…』
「次占いのこと一言でも喋ったら叩っ斬るぞ」
『ぐっ…』
副長の言葉に何も言うことが出来ず、私はとりあえず黙るしかなかった
そんな私を横目に溜息をつくと副長は少し穏やかな口調で言った
「オメーは気にし過ぎなんだよ。占いの結果なんて毎日気にしてみろ、まともな生活なんて出来ねェだろうが」
『…そりゃそうですけど…』
「仮にその占いが当たったとして、それでどうなるってんだよ」
『えっ?』
「今更死の1つや2つ怖がったって…仕方ねェだろ」
『あ…』
副長の言葉にハッとなりその場に俯いた
そうだ…確かに今まで仲間や敵の死を幾度も目にしてきた…。
人を殺し、自分もいつ死ぬかわからない日々を送っているくせに…そんな私が死を恐れるのは…矛盾しているのかもしれない。
そう…占いなんて無くても
- 結衣、行ってくるな -
死は唐突にやって来る…。
「…オイ結衣、聞いてんのか?」
俯く顔を上げ、副長の言葉にそっと頷いた
『確かに副長の言う通りです…。この世界(真選組)に入った時から死と隣り合わせなのは覚悟してましたから、今更怖がる資格も進まない理由も私にはありません』
「……ま、じゃねェと真選組隊士は務まらねェよ」
『ハハハ…そうですね、』
自分が死ぬことは怖くない。
怖いのは自分の大切な人が目の前で死んでゆくこと…。
そして本当に恐ろしいのは
- 置いていかないで!平河隊長!! -
また…あの日と同じことを繰り返してしまうことだ。