第3章 占いは信じなくても当たる時は当たる・前 【星の砂⭐︎】
「はぁ?人生最悪の日?」
『はい…いや、まぁ人生最悪の日は沖田隊長と仕事行く度に更新されてるんですけど』
あれから私は今朝の見回りの為、副長とパトカーに乗っている
その間、今朝の占いの事を副長に話すがどうやら彼は占い自体をあまり信じていないらしい。
「朝早くから何騒いでんのかと思えば占いかよ…くだらねェ」
『わ、私だって別に100パーセント信じてるわけじゃないですよ!…ただ…』
「なんだよ…」
『結野アナの星座占いはよく当たるって前に局長が言ってたんですよ。…あの人も実際に占いで死の宣告を受けたらしくその日1日は災難な目に遭ったとか』
「…。」
言いながら副長の方を向くと額に汗を掻きながら彼は私から目を逸らした
『副長?』
「あ、あの人は特別なんだよ」
『?はぁ…嫌な特別ですね』
そんな会話のやり取りをしながら私は窓の外を見つめる
『にしても今日は本当に良い天気ですね、何で結野アナ傘持ってけなんて言ったんだろう…』
「つーかんなことより…お前に聞きてぇことがあんだけど」
『?何ですか』
「いや何っていうか…この車さっきから…
スピード遅すぎくね?」
そう言って副長は私の運転するパトカーのスピードメーターを見つめる
「お前これ…何キロだ」
『20キロです、安全運転第一ですから!』
「いや安全過ぎだろ!!つーか普通の道で20キロは最早安全通り越して逆に危険だわ!!もっとスピード出せバカ!」
言いながらアクセルに足を伸ばそうとする副長を慌てて阻止する
『ちょ、駄目ですって!今日は人生最悪の日になるかもしれないんですよ!?これ以上速度上げてもし爆発とかしたらどうするんですか!』
「するわけねェだろ!やっぱお前100パーセント占い信じてんじゃねーか!もういい代われ、俺が運転する」
『嫌です!副長の運転で事故ったら私まで巻き込まれるじゃないですか!ただでさえ一緒に車乗ってるのも恐怖なのにアンラッキーアイテムが運転する車なんてもっと乗れません!!』
車の中で言い合いを繰り広げる私達とその後ろを走る複数台の車のクラクションの音は今朝の静かな町を少しだけ賑わせた