第2章 大切なのは中身より気持ち【星の砂⭐︎】
目を覚ますと、もう既に朝日が昇っていた
『あれ、私いつの間に!』
机に伏せていた上半身を起こすと昨日の完成した書類はなくなっていて私の肩にかけられていた毛布がバサッと下に落ちた
『…』
それから自室を出て食堂に行くと、そこは朝食を食べる隊士達で賑わっていてその中には沖田隊長や近藤さん、土方さんの姿もあった
「総悟!昨日結衣ちゃんから誕生日プレゼント貰えたか?すごく悩んでたみたいだぞ」
沖田隊長の横に座る近藤さんの言葉にギクッと肩を強張らせる
「ええ、貰いやしたよ」
『…』
「え、一体何貰ったんですか沖田隊長」
「そりゃ…いいモンでィ」
沖田隊長の含み笑いに山崎さんは頭にハテナを浮かべる
「沖田隊長ッ!いいモノってもしや大石さんの初…ぐは!!」
何かとんでもないことを言いかけた神山さんに向かって私はお盆を投げつけた
頭から血を流し気絶している神山さんをよそに彼らの座る席へ向かった
「あ、おはよう結衣ちゃん」
『おはようございます…』
山崎さんに挨拶して席に座ると向かいに座る沖田隊長と目が合った
『沖田隊長…あの…毛布ありがとうございます』
「あー…気にすんな。それに、オメェが徹夜してやったおかげで俺ァ土方さんに怒られずに済んだからな。特別に褒めてやりまさァ」
いや何で上から目線!?
「あ?総悟あれオメーがやったんじゃねェのか!」
「何言ってんですかィ土方さん。俺だってちゃんとやりましたよ、ただ少しこいつにも手伝わせただけでさァ…2.5/3くらい」
「オメェそれほぼ何もやってねーじゃねェか!!」
沖田隊長と土方さんのやり取りをボーッと見つめていると不意に沖田隊長が私の頬に触れた
『!?』
「…昨日はちゃんと眠れたかィ?」
『沖田隊長…』