第2章 大切なのは中身より気持ち【星の砂⭐︎】
あれから沖田隊長に腕を引かれるがまま連れて来られたのは何故か私の部屋で、私は何故か机の前に座らされ、何故か筆を持たされていた
『……あれ?』
目の前に積み上げられた大量の書類を見つめる
えっと…何がどうしてこうなったんだっけ。
『沖田隊長…』
「ん?…どうしたんでィ」
そう言って涼しい顔で私を見下ろす沖田隊長は実に憎たらしい笑みを浮かべた
『いや"ん?"じゃないですよ!何ですかこれ!!』
まさかこの書類の山を全部私にやらせるつもりじゃないだろうなこの人!
「ご明察でィ。丁度まだこの書類の山が手付かずだったし、お前がどうしても俺に何かしたいってんなら特別にやらせてやらァ」
『いや誰もそこまで言ってな…』
「あーあ…まさか同じ隊の奴に誕生日忘れられてただけでなく、プレゼントも貰えなかったなんてショックだなー」
『ぐっ…!』
こ、このやろおおお!!
さっき自分だって忘れてたくせにッ。
『あ、あの…やっぱり私今からなんか買ってきます!ケ、ケーキとか…ぐふッ』
サッと立ち上がり、部屋から出ようとしたところを沖田隊長の足によって躓き転ばされた
「無理しなくていいんだぜィ?ほら、よく言うだろィ…
"大事なのは気持ちだ" ってなァ」
嫌だぁああ!!私は隊長のこんなドSな笑みが見たかったんじゃないいい!!
「あ、ちなみにその書類明日までに終わらせねェと切腹だぜィ」
『え…明日ってことはひょっとして…徹夜?』
「それはテメェ次第でさァ。ま、でもどのみち今日は寝られねェぜィ?…だって、今日一日俺のモンになってくれんだろィ?」
『え、あ…いやそれはッ』
「十分にこき使ってやらァ」
『…』
神様……沖田隊長の誕生日はどうやら私にとっては最悪な日となりそうです。
「なにボサッとしてんでィ、さっさとやりやがれ」
『くッ!…』
あれ、
ていうか…これって…
やっぱり奴隷になってんじゃないかーッ!