第2章 大切なのは中身より気持ち【星の砂⭐︎】
「…なんでィその顔」
『いえ、ただ今物凄く山崎さんをしばきに行きたい気分なだけです』
ちくしょー山崎さんめ!
いい加減なこと言って何被害者ぶってたんだ!!
「つーかお前ひょっとしてそれ言いに来る為だけに来たのかィ?暇な奴だねィ」
『くッ…』
図星を突かれ何も言うことが出来なかった
そうだよ、
そもそも沖田隊長が誕生日に浮かれるような人じゃないことくらいわかってたのに…。
私からのプレゼントなんかで沖田隊長が喜ぶわけないことくらい…
最初からわかってたのに…。
なんか…あんなに必死になって考えてた自分が
バカみたいだ。
「…で?」
『えっ?』
しばらく俯いていると沖田隊長が私を見つめながら言った
「誕生日、祝いに来たんだろィ?」
『え、あ…まぁ…はい』
沖田隊長は正座をしたまま俯く私の傍までゆっくりと近づき、同じ目線までしゃがみ手を差し出した
「ん、」
『…え?』
「え?、じゃねェ…プレゼントねーのかよ」
『あ、あるわけないじゃないですか!大体沖田隊長の欲しい物とか全然知らなかったですし…私なんかがあげなくても他の人達からたくさん貰えるじゃないですか!』
勢いで叫んだこの時
私は自分で言ってて少し後悔した
何故なら、
「そうかィ…」
そう言った時の沖田隊長の顔が少し寂しそうに見えたからだ
違う…本当はこんな顔させたかったんじゃない。
私は…
- 2日遅れのハッピーバースデーってやつでさァ -
- ほんとに豚の置物!? -
- いい感じの豚の置物がなかったんでィ -
- ありがとうございます…だ、大事にします! -
私が沖田隊長からプレゼントを貰って嬉しかったように、私も彼に喜んで貰いたかったんだ。
なのにどうしていつも沖田隊長の前だと素直になれないんだろう。
再び背中を向け私から離れていく沖田隊長を見つめ肩を落とした
こんなんだったら、やっぱり何かプレゼント買えば良かったな…。