第2章 大切なのは中身より気持ち【星の砂⭐︎】
「ほら、着いたぜ」
『し…死ぬかと思った!』
バイクから降りた私はフラつく足のせいで真っ直ぐ立つこともままならなかった
「結局誕生日プレゼント…見つからなかったな」
『うん…。でも、もういいの』
「?」
沖田隊長へのプレゼントなんてきっといくら時間があっても見つからないと思う。
『私は沖田隊長には、物なんかじゃ代わりにならないくらい…いつもたくさんのことを教わってる』
平河隊長が私を救ってくれたように、沖田隊長も私に道を示してくれた
『だから私は…彼には感謝の気持ちだけ伝えられればいいんです』
「そっか…。低予算だな」
『何か言いました?』
じっと銀さんを見つめると、彼は私からサッと目を逸らした
『いいんです!そのかわり私の気持ちには愛情がたっくさん込もってますから!!』
そう言って笑うと銀さんは「愛情ねェ…」と呟いて困ったように笑った
『銀さん…?』
「いや、それよりヘルメット。脱いで渡せ」
『あ、うん』
言われた通りヘルメットを脱いで銀さんに渡すと、彼はそれを見つめ微笑んだ
「なァ、このヘルメット…結衣専用にしていい?」
『えっ?』
「いやお前さ、後ろ乗る時いつもこれ被ってるだろ?俺や新八のは他にあるし…なんつーか…」
何か言いにくそうに顔を歪める銀さんに私は笑顔で言った
『うん!じゃあそれは私だけのヘルメットだね!』
「…おう」
微笑む彼に私も笑顔で頷いた