第2章 大切なのは中身より気持ち【星の砂⭐︎】
プレゼント選びに悩んでいたらもうすっかり夕方になってしまった
あれから少しかぶき町周辺のお店をまわって、沖田隊長に似合いそうな物を探してみたけど、結局最後まで見つからなかった
「あれ、結衣じゃねーか」
『!銀さん…』
声のした方へ振り向くとバイクに跨り手を振る銀さんの姿があった
『仕事の帰り?』
「いや、実はさっきパチンコで大勝ちしちゃってよ~パフェ食いに行ってたんだよ」
『そこは嘘でも仕事って言った方がいいよ』
「つか、お前こそかぶき町まで来てどうした。見回りか?」
『ううん、仕事は午前中の間だけだったから…』
そうだ、銀さんに相談してみようかな…。
『あのね…銀さん…』
「?」
その後、銀さんと近所の公園まで行き事情を説明すると、彼は眉間に皺を寄せた
「はぁ?沖田くんの誕生日ィ?」
『うん、実はプレゼントを渡そうかなって思ってるんだけど…』
「てか、へぇ沖田くん今日誕生日だったんだーおめでとうって伝えといて」
いやアンタも忘れてたんかい!
『うん、伝えとくよ。それで…プレゼントなんだけど…何渡せば喜んでくれるかな?』
「そりゃあれだろ、ケーキ」
『ケーキ?』
「そ、男なんて単純だからさケーキワンホール食わせときゃ何とかなるって。あ、もちろんチョコプレートは忘れるなよ」
『いやどこのわんぱく坊主ですか!それ銀さんがただ食べたいだけでしょ』
「いんだよ、男はいつでも心は少年なの、わんぱく坊主なの!」
頷く銀さんに溜息をついて近くのベンチに腰掛けた
『沖田隊長の好きなものって何なんだろう…』
「…まぁ俺は大体想像つくけどな」
『え、本当!?なに、教えて!』
「嫌ですぅー、それくらい自分で考えなさい!」
『むっ』
「まぁ…自分が貰って嬉しいと思うもんでいいんじゃねーの?」
『…じゃあ銀さんだったら何貰ったら嬉しい?』
「……結衣」
いつもより低い声でそう言った銀さんは無表情で私を見つめる
『え…え?…』
顔を真っ赤にしてあたふたする私に銀さんはプハッと吹き出した
「冗談に決まってんだろ、何本気にしちゃってんの?」
『ま、またからかった!』
ケラケラ笑う銀さんを軽く睨んでいるとバイクのヘルメットを投げられ慌ててキャッチする
「…乗れよ結衣。屯所まで送ってやらァ」