第1章 恋の季節【空回り】
「で…何でテメェがここにいるんでィ」
『何でって勿論沖田の応援に決まって…』
「帰れィ」
部活終わり、体育館の入口で待ち伏せしていると案の定沖田に物凄く嫌そうな顔をされた
「まぁいいじゃねェか総悟、夜遅ェし女1人で帰んのは危ねーだろ」
『土方紳士だね!』
「何言ってんですかィ土方さん、こいつはストーカーですぜ?こっちの方が危ねェですよ」
『沖田鬼畜!』
あれ、ていうか私の行動ってそんなにストーカーみたいなのかな…結構堂々と付き纏ってる感じなんだけど…あ、付き纏ってるとか自分で言っちゃった。
「つーか…いつの間に土方の野郎まで呼び捨てにしてやがんでィ」
「まぁ、色々あってな…な?」
『う、うん!』
土方に頷くと沖田は物凄く不審な目つきで私を睨んできた
『え、ひょっとしてヤキモ…「んなわけねーだろィ」
『…』
フライングで否定された為、その続きは言うことが出来なかったが沖田の隣を歩く土方が笑いをこらえきれていなかった為…なんだかそっちに腹が立って虚しさは消えた
…とはいえ、こんなことしてもう1年経つんだなぁ…。
進展の1つや2つあってくれてもいいじゃないか。
春らしいイベント、もしくはおいしいシチュエーションが落ちてきてくれてもいいじゃないか!!
恋の季節なのに…。
…恋…の、季節…
…こいのきせつ?
あれ、この台詞…どっかで聞いたような…。
- 春は恋の季節…とも言います。-
- 少しでも僕のこと好きになってもらえる可能性があるのなら今日放課後屋上に来てください。-
『あ…』
「「?」」