第9章 衝突
沖田の呆れたような物言いに私は顔に青筋を浮かべた
『あの…連れ込むとか言うのやめてくれません?読者の皆様が勘違いするでしょうが…』
「勘違いじゃねェ、事実だろィ。キャラ設定変えた方がいいんじゃねェですかィ?"一途なキャラ"じゃなくて"尻軽女"に」
『何よ!そんなこと言ったら沖田だって私に嘘ついて美々ちゃんとキスしてたくせに!』
「てめっ!過去のこと掘り下げてくんじゃねーや!つーか語弊があるだろその言い方!」
『そして…そんな沖田の言動に翻弄されてしまった無垢な少女、私』
「お前が無垢なわけねーだろィ、悲劇のヒロイン面すんな」
そんな言い合いの中、再び電車の発車するアナウンスが鳴る
『…』
青ざめる私に沖田は溜息をついた
「ほんとドジだな…呆れるほどに」
『くッ!…別にいいよ、次の電車待つし!』
「次の電車って…オメェが乗る方面の電車はあと1時間は来ねェぜ?」
沖田の言葉に私はさらに顔を青ざめる
『…待つ!DSして待ってる!』
頬を膨らまし俯く私に沖田は再び何度目かの溜息をついた
「家…姉ちゃんいるけど…」
『え、ほん…!?…いや!結構です!また尻軽女って言われたくないんで』
ブチッ
「じゃあ好きにしろィ!俺はもうてめェなんかに付き合ってんのは御免でィ」
『それはこっちのセリフよ!もう沖田なんか会いに行ったりしないんだから!』
お互いに睨み合ったまま向き合った
「それはつまり…俺の考えてることってことでいいんだよなァ?」
『…私の考えてることも同じなら…いいと思う』
ねぇ、神様…どうしてこうなってしまったの?
『「別れよう、私(俺)たち…」』
お互いに背を向けて歩き出す
しばらくして振り返ると、そこにもう沖田の姿はなかった
改札を通ってホームのベンチに腰掛け電車の時刻表を見つめる
『次の電車…50分後だった…』
こんなつもりじゃなかったのに…
だけど、きっと沖田のあれは…本心だったと思う。
少しだけ痛む胸を押さえ
もうこれでいいんだと私は必死に自分に言い聞かせた