第8章 本音
あれから奇跡的に妙ちゃんと神楽ちゃんと再会した私は2人と近くのファミレスに入ることになった
「やっぱり銀八会もいいけど、こうやって女子だけで集まる女子会もいいわよね。あ、桜ちゃんは私の奢りだから気にしないでね」
「マジでか、姉御太っ腹アル!じゃあ私はコレとコレとコレと…」
「神楽ちゃん、食べ放題じゃないから予算オーバーは払わせるわよ」
妙ちゃんのブラックな表情と言葉に神楽ちゃんは食べる手を止めて冷や汗を掻いた
2人とも…前より大人っぽく見えるけど、性格はやっぱり変わってないなぁ
それに比べてこの私は…見た目も性格も変わらず…。
「でも本当に久しぶりね桜ちゃん」
『あ、…うん!ほんとに…会えて嬉しい』
「桜オマエ、引っ越してから全然連絡寄越さないからみんな心配してたアルヨ!」
『あはは…ごめん。色々忙しくって…』
妙ちゃんはしばらく私を見つめたあと、静かに口を開いた
「そういえば、この前土方さんと会ったんだけど…最近桜ちゃんが元気ないって言ってたわよ」
『え、土方が?』
「ええ、以前電話で話した時に…何か落ち込んでるようだったって…」
土方…本当にすぐ私のこと見抜いちゃうんだから…。
「桜…何か悩み事アルカ?私達いつでも相談乗るアルヨ」
『ありがとう…でも悩み事っていうか…その』
「沖田くんとうまくいってないの?」
『グフゥ!!』
妙ちゃんの言葉に飲みかけたコーヒーを吹き出した
『ゲホッ…な、なんで』
「図星アルカ…」
「わかるわよ、大体桜ちゃんの悩む事って沖田くんのことくらいしかないもの」
いやどんだけ沖田脳だと思われてんの私!?
「それで、どうなの?」
『…』
でも確かに…
『…沖田のこと…です』
事実だ…。
「ほらね」
ニコッと笑う妙ちゃんに恥ずかしさのあまり顔を上げることが出来なかった