第1章 再会
沖田と両想いになってから半年、つまり大学生になってから3ヶ月になる今日この頃。
つい先日大学が夏休みに入ったばかりなので私は特にやることもなく家で1日を過ごしていた
『暇だなぁ~』
歩兄はサークルの集まりに行ってるしおじさんとおばさんも今日は出掛けてるし、とにかく今私は猛烈に暇でしょうがない
引っ越してきたこともあってご近所さんともまだ馴染めてないしこっちにはまだ友達もいない
だから大学のサークルに入ろうかと思ったこともあったけどバイトとの両立は難しい。
『せっかくの夏休みなのになぁ~』
ふと手元のケータイに目を向ける
最近沖田とメールしてない。
引っ越してすぐは忙しいだろうからって沖田が遠慮してくれていて連絡は少なかったけど、落ち着いてからは週に3回くらいはお互い連絡しあってたのに…今ではそれが月に一回あるかないか…。
ちなみに今月はまだ一回もきていない。
おかしい!!
もうちょっとラブラブな感じを想像してたのに!!
私はケータイをまじまじと見つめ必死に思考を巡らせた
何で連絡くれないんだろう……
まさか私からしてこいってことなのかな!?
いや、でも先月の返事まだ返ってきてないし。
大学が忙しいのかな……それとも…
そこまで考えて一瞬恐ろしいことが頭に浮かんだので私は考えることをやめた。
そうだ!別にメールじゃなくったって電話でいいじゃないか!!
久しぶりに沖田の声も聞けるし一石二鳥だよ、 うん!!
アドレス帳に表示される通話ボタンを見つめる
あぁ…久しぶりすぎて緊張するなぁ。
思えば沖田の声なんて一ヶ月前の電話以来聞いてないよ。
大きく深呼吸をしてもう一度画面を見つめた
よし! ピッ
"プープープープープー"
あれ?
"ただいま通話中もしくは電源が入っていないためかかりません"
繋がらないだと!!?
一呼吸置いてからもう一度電話帳を開いた
ピッ
プルルルル
プルルルル
「はい。」
『あ!もしもし?吉野でーす!元気?
何か急に声が聞きたくなっちゃってさぁ』
「俺、土方なんだけど」