第2章 変わらないもの。
や、やばい。
これはどう見たってやばすぎる!!
『えっ…と、』
「…」
沖田は一瞬私と土方を見たあとすぐに視線を下にそらした。
それが何だか悲しくて胸の奥がチクッと痛んだ
…あからさますぎるよ、沖田。
そっか、ずっと…会いたいって思ってたのは私だけだったんだ。
沖田はもう私に気持ちなんて少しもなくてとっくに好きな人作ってて、ずっと連絡くれなかったのも全部このことを私に知られたくなかったからなんだッ
「総悟くん…どうしたの?」
「…」
女の子の言葉に沖田は何も答えない
ー…いい
もう…いいよ
『もう沖田なんかそうやってモテまくればいいよ!モテてモテて私に彼女自慢しまくればいいのよ!!』
「え、お前それ怒ってんの?それとも応援してんの?」
静まり返った空気の中、土方が言った
『あっ違…、沖田が幸せそうなのを見るのは嬉しいけど沖田が誰かといて幸せそうなのはちょっと…んぁあ日本語って難しいね土方!!』
「いや全体的に何言ってんの?」
『ようするに私はもう…』
『もう沖田なんか大っ嫌いなの!!』
勢い任せに叫んだ言葉は取り返しのつかないものだった。
あぁ…私は本当にバカだ。。
『ッもういい!行こう土方ッ』
そう言って土方の腕を掴んだその時、
パシッ
『!?』
反対の腕を沖田に掴まれた。
『なっ!ちょっ』
いきなりでびっくりしたのもあったけど、何より沖田の手を掴む力が尋常じゃない強さだった
「来い…」
『は!?ちょ、えっ!!』
言われるがまま沖田に腕を引っ張られ外に連れ出された
土方に助けを求めたけど彼は手を振るだけだった