第6章 感情コントロール
[沖田side]
「ッ!」
ガバッと勢いよく起き上がるとそこは俺の部屋のベッドの上だった
そばにある時計を見ると朝6時を指していた
「…夢か」
…にしてもなんつー夢でィ。
あれもこれも全部山崎のせいだ…
昨日…あんなこと言いやがるから……。
- きっと好きなんですよ-
思い出すとまた恥ずかしくなってきた
大体、あんなアホな変態ストーカー女のどこがいいんでィ…ありえねェだろィ。
「あ~くそっ!もう考えたくねー」
俺は布団から出てリビングへ向かった
「あら…今日はえらく早起きね総ちゃん」
「ええ…まぁ…」
いつもはもっと遅い俺より1時間早く大学に行く姉上と朝に顔を合わせることなんて滅多にない為、起きた時に姉上の顔を見れたのは素直に嬉しかった
「朝ごはん…作りましょうか?」
「いや、自分でやりまさァ」
「そう?…じゃあ総ちゃん。私朝から集まりがあるからもう行くわね」
「いってらっしゃい!」
姉上が家を出た後、俺も朝御飯を食べて家を出た
それにしても珍しく早起きしたせいかすごく眠い
これじゃあ昼までもたねーや…。
欠伸をしながらいつもの道を歩いていると俺の目に今会いたくないやつNo.1の姿が映った
「げ…」
吉野…。
どうする俺、声かけるか?
いやでも昨日のアレで気まずいし…。
くそっ…俺がこんなに悩んでるっていうのにあの女…超普通の顔で俺の前を歩いてやがる。
まぁ…気にすんなって言ったのは俺だけど…。
まぁ、挨拶くらいは変じゃねェか。
「吉野っ…」
「桜ちゃん」
……。
『あっ、山崎くん!』
「おはよう!」
俺の口から出た言葉を意図も簡単に掻き消した山崎
身体は大丈夫なのー?とか言いながら吉野に近づく
ザキ、テメェ好きって教えたくせに何してんだコラ…いや銀八のことだけど。
『へー今日からカーディガン着て来ていいんだ』
「そうみたいだね」
笑顔で話す吉野にまた少し苛立ちを覚えて目の先にいる山崎を睨んだ
ザキ…覚えてろィ!
「ッ!?」
『どうしたの?山崎くん』
「いや…今何か悪寒が…」