第20章 繋がる想い
「あー…俺ァ微妙だねィ」
引いたおみくじを見ながら沖田は言う
そんな彼の隣で私は開いたおみくじの文字を見て震えていた
「オイ、お前どうだったんでィ」
ひょいっと私のおみくじを覗くと沖田はプッと吹き出した
「おまっ…末吉ッ!プッククまじで…か」
『ちょ、笑うか堪えるかどっちかにしてくれない!?』
"末吉"と書かれたおみくじをまじまじと見つめる
『えっとなになに…学業は、努力に限る…
…は?』
「プハッ」
隣で沖田が笑った
『えーっと、健康は…"生きろ"。』
ちょっとオオ!?何このおみくじ!!
真面目にやってんのこれ!!
おみくじを見ながら青ざめる私の隣で沖田はさっきから笑いを堪えるのに必死だ…ていうか全然堪えてないよね?思いっきり笑ってたよね!?
「まぁそういう時もあらァ、気にすんな」
『気にするから!
ていうか沖田こそ微妙って言ってたけど何だったの?』
「大吉」
『どこが微妙!?』
嫌味!?嫌味なのか!!
「お前知らねーのかィ?本当は大吉より小吉とかのほうが良いらしいぜ」
『え、そーなの?』
「まぁ気分っつーか、大吉はそれ以上はもう上がらねーしあとは落ちてくだけだが、程良い運勢の小吉や中吉だと努力次第で上がるかもしれねェだろィ?」
『あ、今確実に大吉で喜んでる人達を敵に回したね』
「ま、そういう考え方もありってことでさァ。
だから俺は微妙っつったんでィ」
『へぇ…』
「まぁそれはあくまで小吉と中吉の話であって、末吉より大吉のほうが遥かにマシだけどな」
『う"っ』
沖田に言われ再び自分のおみくじに目を向ける
何で末吉…
あ、でも去年も末吉だった気がする…。
確か恋愛運が最悪だったな…
今年は…
『……』