第20章 繋がる想い
ざわつく教室の中で一人俯いていると突然後頭部に激痛が走った
『ッ誰よ今辞書ぶつけたやつ!!』
後ろを向くと高杉が"しゃかい"と書かれた本を読んでいて床に落ちた辞書を指差した
「…拾え」
『ブッ飛ばすよ?』
辞書を拾って高杉に渡す
「引っ越し…すんだってな」
『うん…寂しくなるね』
「いや全く」
冷たく言い切る高杉に少しイラッとしつつも今日が最後だと思うと言い返す気にもなれない
『高杉のこと…はじめは物凄く怖いなって思ってたんだけど、話したりすると案外いい人なんだなってことがわかった』
「そうか…俺もお前にはずっと言わねェとって思ってたことがある…」
『えっ…』
「今までお前に辞書ぶつけてたの…あれ全部俺…」
『知ってるわ!!』