第20章 繋がる想い
冬休み目前のある日、私はついにZ組のみんなに話をした
「「「引っ越し!?」」」
『うん』
当然みんなは目を丸くして驚いた
「それって…いつなの?」
『年明け…1日の朝にはこの町を出るよ』
「そんな、もう一週間もないじゃないっ」
妙ちゃんはカレンダーを見て言った
「桜!!なんで引っ越すアルカ!?何か嫌なことでもあったアルカ!?」
『いや…そうじゃないけど』
「嫌アルっ!この前桜の弁当こっそりつまみ食いしてたの怒ってんなら謝るから!!行かないでヨ!」
『違うけどあれ神楽ちゃんだったの!?』
「そうだ、実は吉野くんのテスト、こっそりカンニングしてたの俺だったんだ」
『いや桂くんその告白はしないほうが良かったよ絶対!』
ていうか何このお別れの前の告白的な…!
しかも知りたくなかったことのほうが多いんだけど!!
チャイムが鳴って銀八先生が教室に入ってきた
「席つけコノヤロー…
まずヅラ、おまえ後で職員室な」
聞いてたんかぃいい!!!
「違いますよ先生。俺がカンニングしてたんじゃなくて吉野くんが俺のを見てたんです」
『あ!!罪を人に擦り付けた!?』
「もういいではないか。全ては水に流そう、どうせ引っ越すんだし」
『最低なんだけどこの人!!!』
そんな私と桂くんのやり取りをよそに先生は話始めた
「まぁこれから冬休みに入るわけだが、お前らもわかってるとは思うけど年明けすぐに最後のテストがあるということ忘れんなよ」
先生の言葉にみんなは一斉に固まった
出た、学年末考査!!
確か二学期までの点数がギリギリだった人はこれで取らないと卒業出来ないんだよね…。
「ヤバいアル!私卒業したいネッ」
卒業…か。
私は…この学校では卒業出来ないんだな…。