第19章 約束と決意
『…え?』
「せっかく家族が出来るんだろィ…行くべきでさァ」
『…ッ』
沖田が私のことを思って言ってくれてるんだってことはわかってる
だけど私は内心どこかで行くなって言ってほしかった…
それが好きでも嫌いでもない、ただの友達としてでも。
私はゆっくり頷いて下を向いた
今沖田の顔を見たらきっとまた泣いてしまう
そしたら沖田を困らせるだけだ。
ぐっと我慢して俯いていると沖田は私の頭に手を乗せ、静かに撫でた
「何泣きそうになってんでィ、まだ2ヶ月もあるんだぜィ?」
『う…ん』
「一生会えなくなるわけじゃねェんだし。姐さんもチャイナもみんなきっと同じこと言いまさァ」
『う…んッ』
「それでもまだ不安なら…約束しろィ」
沖田の言葉に顔をあげる
『…約束?』
沖田は優しく微笑むとそっと私の頬に触れた
「帰ってきた時、一番最初に俺に会いに来るってなァ」
『え…?』
「待っててやらァ」
『ッ…う、ん!!』
抑えていた涙がとめどなく溢れ出した
そうだ…
私はきっと沖田に止めてほしかったんじゃない。
こうして背中を押して欲しかったんだ。
それから私が泣き止むまで沖田はずっと頭を撫でてくれた