第19章 約束と決意
目を覚ますと沖田はいなくて眩しい日差しが部屋中を照りつけていた
『朝…』
「起きた?」
『歩兄…』
朝食を持ってきてくれた歩兄にお礼を言って再び窓に目を向ける
「具合はどう?」
『うん…もう大丈夫だよ』
「そっか…」
『…沖田…は?』
「あぁ、彼なら昨日の夜、お前が寝たあとすぐ帰ったよ」
『そっか…』
眠るまでそばに居てくれたんだな。
「そういえばさ、桜」
部屋を出ていこうとした歩兄はふと立ち止まって私に振り返った
「引っ越しのことだけど…答え、出た?」
『…』
引っ越したいかしたくないかで聞かれたらもちろんしたくない。
-約束しろィ-
-帰ってきたとき一番最初に俺に会いにくるってなァ-
でも、あの約束があるから
-待っててやらァ-
もう怖くない。
沖田が背中を押してくれたのだから、
『うん、決めたよ』
私も前に進まなくちゃ。