第19章 約束と決意
頭がクラクラする…
私…どうしたんだっけ。
沖田…は?
ゆっくり瞼を開けると目の前には見に覚えのある天井があった
『…ここ…は』
「オメェの家でィ」
声のするほうにゆっくりと目を向ける
『沖…田』
そこにはベッドの横の椅子に座り私を見つめる沖田の姿があった
「気分はどうなんでィ」
『うん、大丈夫…ぐふっ』
起き上がろうとする私を沖田は再びベッドに押し付けた
「んなわけねーだろィ、39℃も熱あるくせに」
39℃!?どうりで身体が熱いわけだ。
『沖田が…運んでくれたの?』
「…まぁ、目の前で倒れられたらほっとく訳にはいかねーだろ」
『そっか…ありがとう』
「…おぅ」
私と沖田にしばらくの間沈黙が流れる
- 伝えるべきだ -
頭の中で吉田さんの言葉が何度も繰り返される
確かに…これを逃したらもうこの先ずっと想いを伝える機会なんてないかもしれない。
そう思って口を開こうとした瞬間、沖田が先に口を開いた
「お前…なんで戻ってきたんでィ」
『え?』
「好きな奴に会えたってーのに…なんで、なんで俺なんかのところに戻ってきたんでィ」
そう言って沖田は私の手を握った
「バカだろィッ!おまえっ」
『沖田…』
俯いてそう言う沖田の手を私はそっと握り返した
『そうだよ…バカだよ私。でも沖田も知ってたでしょ?』
目頭が熱くなるのを感じながら沖田に笑った
『私、沖田に色々言わなきゃいけないことがあるの』
「…。」
『…好き』
「!…」
『って私何回言ってんだろうね…!
でもこの好きは全部本当だよ。3年前とか過去とか関係ない、今の沖田が私は大好き』
でも…と続けて私は話す
『もうそれも言えなくなっちゃうんだ…私ね』
「引っ越し」
言おうとした言葉を沖田が先に言った
『えっ』
「引っ越し、すんだろィ…」
『な、なんで…知って』
「オメェの従兄から聞いた」
『そう、なんだ。…私もまだちゃんとは決めてないから学校のみんなにもまだ言えなくて…』
「…」
『じ、実は迷ってるんだよね!せっかくみんなと仲良くなれたのに寂しいし…お、沖田はどう思う?』
沖田なら"行くな"って言ってくれると思ってた
だけど…
「行けよ」
そんな私の期待を沖田は見事に外した