第19章 約束と決意
[沖田side]
あれからどれくらい経っただろうか…。
家に帰ろうかと思ったが何となく今は誰とも顔を会わせたくない気分だったため、近くの公園に行きベンチに腰を下ろした
ぽつぽつと冷たい雨が頬を濡らし始める
「…雨か…」
誰もいない公園のベンチ、一人空を見上げる俺は他人から一体どう見えているのだろうか
雨は嫌いだ。
一度に色んなことを思い出させる
修学旅行、吉野が事故にあった雨の日
放課後、吉野と傘差して並んで帰った雨の日
体育祭、山本に祭りに誘われ、吉野の誘いを断った雨の日
そして…
クリスマス、俺とよく似た男と吉野を見た瞬間、雪が雨に変わった
もう思い出したくないのに…もう忘れたいのにこの空は俺に付き纏ってくる
「帰るか…」
そう呟いて腰をあげる
だが次の瞬間、目の前に映った人物に俺は一気に頭の中が真っ白になった
「…な、んで」
何でここにいるんだよ…
何でそんな悲しそうな顔してんだよ…
もう、
- そーちゃん私ね、十四郎さんが… -
もう辛い思いは御免なんでェ。
「吉野…」