• テキストサイズ

空回り【銀魂】

第19章 約束と決意


[沖田side]

最初からわかってた

吉野の本当に好きな奴が俺じゃないことなんて、最初からわかってたはずなんだ


- 好きだよ!-


それでも俺は知らず知らずのうちにあいつに惹かれていき気づけば目が離せなくなっていた


あんなに鬱陶しく感じていたはずのあいつの姿や声に俺はどうしようもなく胸が締め付けられる


散々隠してきた想いを今度こそ伝えようと、そう決心した瞬間そいつは現れた


一番驚いてたのは恐らく彼女だったろうが、3年も片想いしてきた本当の相手が現れたんだ。俺の出る幕じゃねェ


きっとあいつも真実を知って喜んでる


そう、最初から全部わかってたんでィ


伝えなくて良かった…。


言う前で良かった…。


俺の気持ちを今伝えたってあいつを困らせるだけだ


このまま想いを秘めておくのが一番平和なんだ。


そう自分に言い聞かせ想いを抑えた


次会ったら"おめでとう"の一言でも言ってやろう。


きっとこれから吉野が俺の周りで騒ぐこともなくなるだろう

でも、それでいいんだ。

最初から俺はそれを望んでたはずなんだ。

たくさん遠回りしたけど

- 沖田っ!-

あの笑顔が俺に向けられた本当の顔なら

- 沖田!剣道の試合、私めちゃめちゃ応援してるから!!頑張って -

俺があいつといた時間は、確かなものだから

- 沖田、また来年も花火大会行けるといいね -

ちゃんと意味はあったんだ。

「行けなくなっちまったな…花火大会」



そうして俺はこれからも


彼女に想いを伝えることは決してないのだ
/ 232ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp