第18章 クリスマスデート
私は沖田の腕を掴みそのまま教室を出ようとした
その時、
「オイ沖田くーん。提出物出してないのお前だけだぞー。今から職員室来い」
え。
「げ、まじでか…かったりぃ~」
するりと私の腕から離れて職員室へ向かおうとする沖田
え、ちょっと待って!!
どんだけタイミング悪いの銀八先生コノヤロー!
「先生、提出物って今から出したら点数10点くらい上げてくれますかねィ?」
「安心しろ。出し忘れた時点で10点マイナスしてるから出すもん出したらその10点返してやるよ」
そんなことを言いながら二人して教室を出ていく
…だめだ。
こんなんじゃ…私また、何も変わってない
- 桜ちゃんなら大丈夫よ -
- 遠慮なんかする必要ないネッ -
- 好きって気持ちが本当なら伝わるわよ -
私は急いで教室を飛び出しその背中に向けて精一杯叫んだ
『待って沖田!!』
後悔はしたくない。
こんなところで諦めるなんて私じゃない。
だっていつだって、どんなときだって
私は沖田に全力で想いをぶつけてきたんだから!
振り向いた沖田は目を見開いていて、そんな彼の目を私は真っ直ぐに見つめた
『…あのっ』
「?」
『ら、来週はクリスマス…があります!』
「…知ってらァ」
頑張れ私っ!
『じゃなくてその…クリスマスは12月24日で…』
「オイ…バカにしてんのか?」
やばいやばい、沖田がキレそう!
こんなことが言いたいんじゃないのに
「はぁ…話があんなら後で聞きまさァ…俺ァ職員室行ってくっから…じゃーな」
ッ!!
『く、クリスマスデートがしたいです!!』
私の声は学校中に響き渡った
『あっ…デートって言ってもちょっと街なかブラブラするだけだけど…!!ほんとすぐ終わるし、全然ちょっとでいいから!』
「いいぜィ」
『えっ…?』
顔をあげると沖田はただ私を見つめていて、だけどその表情はどこか穏やかで優しかった
『いいって…何が?』
「だから…クリスマス空いてるっつってんでィ」
「「えーっ!!!?」」
沖田の言葉に私より先にまわりの女の子達が驚いていた
銀八先生も口元に手をあててニヤついている
"また連絡する"そう言って沖田は職員室へ向かって行った
『……ウソ…』
ええええ!!?