第2章 修学旅行で嵐の予感!?
私達の間には、ただ雨が地面を叩く音だけが鳴り響く
沖田は私をしっかりと見つめる、だけど少し気まずい空気を感じた私はすぐ目を逸らしてしまった
「話がある」
そういった沖田をまた見ると彼は少し難しい顔をしていた
話ってなんだろ……。
いつもはポジティブな私だけど修学旅行の間のこともありなんとなく良いことは思いつかなかった
今まで散々沖田に鬱陶しがられて相手にされなくて、それでも好きで仕方なくて、諦められなかった。
でも、この修学旅行で気づいたんだ。
どう頑張ったって沖田は振り向いてくれない、私が沖田を好きなように沖田も彼自身の好きな人しか見えてない…きっと。
もう頭ん中はぐちゃぐちゃだ。
好きな人に好きな人がいたとき…どうしたらいいの?諦めたらいいの?
そんな簡単に諦められるなら…どんなに楽か…。
「吉野っ」
『私も!…』
私は彼の言葉を遮り言った
『私も沖田に話がある』
最後かもしれないから…私から言わせて。
沖田は一瞬目を見開いて私の次の言葉を待った
『好き』
再び沖田の目が大きく見開かれた
『沖田が大好き。例え、沖田が私のこと嫌いでも、神楽ちゃんのことが好きでも…』
どうか…これだけは覚えていて…
『どんなことがあっても、私は絶対に諦めないよ。だって沖田がっ』
「好きじゃねぇ…」
好きだから。と言おうとした私の言葉は沖田によって遮られた
「チャイナは好きなやつじゃねぇ」
『えっ』
ち、
『ちがうのおおおおお!!??』
今度は私が驚く番だった
沖田は私が悩んでたことを平然と答えた
『なんだぁ私、てっきり…』
全身から力がどっと抜け落ちた
ほんと心臓に悪いよ、この人。
そんな私を見た沖田は言った
「お前が悪ィ奴じゃねぇのは知ってる、ただあまりにしつこすぎるのが困りまさァ…」
『…じゃあ、しつこくしなければ私のこと少しは好きになってもらえる可能性があるってこと?』
恐る恐る沖田に顔を向け言うと、沖田は何も言わず私から目線を逸らして頭を掻いた
私はその仕草にぱああっと表情を輝かせる
そして思わず、
『そうごくーん!』と言って飛びつくとあっさりかわされ、「好きとは言ってねーぞ」と言われた
大丈夫!
これから…これから頑張ろう!!