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空回り【銀魂】

第2章 修学旅行で嵐の予感!?


密かに感じる胸の痛みを抑えていると沖田が口を開く

「はぁ?何で俺が吉野なんかとまわらねぇといけないんでェ…」

"なんか"という言葉に少しイラッときた私は思わず土方の腕を掴み言ってしまった

『な、べ、別に沖田がまわってくれなくても土方とまわるもん私!!土方すっごく優しいし!』

あーあ…言っちゃった。

でもひょっとしたら沖田がヤキモチ妬いてくれるかも…とどこかで少し期待してた私がいた

でもその期待をあっさり裏切るように沖田は言った

「…いいんじゃねぇか…お似合いですぜお二人さん」

私の中の何かが崩れる音がした

沖田は私に背を向け歩いて行く

あの酷く冷たく突き放したような言い方に…私は何も言い返すことが出来なかった

『…』

最高の思い出になると…思ったんだけどなぁ。



それからこの修学旅行で私と沖田が言葉を交わすことはなかった


銀魂高校到着。

「はい、みんなおつかれー!今日はもう遅ェから各自しっかり家に帰るよーに。じゃあ解散!」

銀八先生が話終わるとぞろぞろとみんな家に帰って行った。

ぽつぽつと雨が降ってきた
それは次第に強くなり頬を濡らしていく

その場にしゃがみ込み俯いていると…

「風邪引くぞ」

その声と共に私の頭上に大きな傘が差された

『!……土方』

「らしくねぇじゃねーか。お前があんなことで落ち込むなんて…」

土方が言うあんなこととはおそらく昨日の沖田の発言のことだ

バレちゃったか…土方はすごいな。

『まぁ、乙女も色々あるのさ…』

そう言った私に土方は"ふーん"とだけ言うと私と同じ目線までしゃがみ微笑んだ

「よくわからねぇけどよ…総悟のこと、諦めたり…なんてことはねぇよな?」

わかってるくせに…敢えて言わせるなんて…。

『もちろん!沖田は運命の人なんだから』

私が笑顔で答えると土方は「そうか」と言って私の頭をくしゃくしゃとかき回した

土方はこういう時大人だなって思う。
彼がモテるのもちょっとだけわかった気がする。

土方が帰った後さらに雨が強くなり、私はしばらく公園のベンチの屋根で雨宿りをすることにした

『にしても…雨やまないなぁ…』

「吉野!」

名前を呼ばれ振り返った私の目に映った人物は

『お、きた…』

傘を差して立つ沖田の姿だった
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