第17章 別れの序章
その後、散々二人にからかわれたけど私は高杉をそんなふうに思ったことはない
寧ろ良い友達だと思ってる…
彼は思ってないかもしれないけど。
それからは沖田とも相変わらず言葉を交わすことがないまま昼休みになった
「桜ちゃん、私と神楽ちゃん今日食堂で食べるんだけど…どうする?」
『私は教室で食べるよ』
食堂は沖田や土方たちが行くって言ってたし、何となく…気まずいもんね。
妙ちゃんたちが行った後、少し静かになった教室で弁当箱を広げる
たまには一人で食べるのも悪くないよね…。
『いただきまーす』
そう言っておかずを口に入れようとした時、ガラッと教室のドアが開いた
「あ?お前一人で食ってんのか?」
そう言って私を見下ろす土方
後ろには近藤くんに沖田に山崎くん
なんで…。
なんで今日に限って教室なんだあああ!!
『土方たちこそ…いつも食堂か屋上なのに今日は教室なんて珍しいね』
「いつもは山崎に場所取りに行かせてたんだが今日はドジッたらしくてよ」
そう言って土方は山崎くんを軽く睨む
さ、最悪だ。
こんなんだったら妙ちゃんたちと食堂行くんだった!
「まあまあトシ!たまには教室でいいじゃないか。お妙さんもいるんだし」
『あ、妙ちゃんたちは今日食堂だからいないよ』
「トシ!やっぱり食堂行こう」
そう言って教室から出ようとする近藤君を土方が止める
「だから席がねェんだよ!」
「お妙さんと相席でいいじゃん!」
そんな二人のやりとりをぼーっと眺めていると山崎くんが話しかけてきた
「桜ちゃん一人なんだったら俺らと食べようよ」
『いやなんかぼっちみたいに言わないで!別に寂しくないから!』
「おおっ、桜ちゃんも一緒に食おう!昼飯、今から食べるんだろ?」
『そ、そうだけど』
近藤くんからそのまま視線を沖田に移す
彼はいち早く席につき焼きそばパンを食べていた
…やっぱりなんとなく、気まずいな。
「ほら、こっちで食べよう!」
近藤くんに誘導されるまま私は渋々彼らの輪の中に入った