第16章 二人だけの花火
[沖田side]
「いってぇなァ!!なにしやがんで…」
そう言って彼女を見上げると同時に俺の頬に雫が落ちた
『言いたいことはっきりしてないのは沖田のほうじゃん!
私は…沖田が美々ちゃんとお祭りに行ったことや…キスしたことで怒ってるわけじゃないもん!!』
「じゃあ…なんで」
『…バイトって…言った』
「!あ…」
- 悪ィそれ…行けねぇ -
- …今日は俺…バイト入ってるんでィ -
『何であんなこと言ったの!?』
「それは…」
お前を傷付けないために…。
『っ…私はデートやキスよりも嘘のほうが…嫌だった…グズッ』
あぁそうか、結局俺は自分のことしか考えてなかったんだ…。
その場凌ぎの勝手な嘘
こいつの為を思ってついた嘘が逆にこいつを傷付けてた
「吉野…ごめん」
『ッだから謝らないでよ、もういいって言ってるじゃん!』
「俺がよくないんでィ!」
そう言って吉野を抱きしめた
「ほんとに…ごめん」