第2章 修学旅行で嵐の予感!?
「おい…何で俺までこんなことしなくちゃなんねーんだ!」
『ちょっと土方声でかい!バレちゃうでしょ!』
現在私は沖田と神楽ちゃんが入ったであろうアイスクリーム屋さん…の前の茂みの中にいる
横で土方がさっきからちょくちょく何か言ってるけど私は店の中でアイスクリームを食べてる二人に気がいって彼の声なんて全く耳に入って来なかった
「だいたい邪魔するってどうすんだよ…」
『もう!何のために土方連れてきたと思ってんの』
私の言葉に土方は「ほんと何のために連れてこられたんだ俺は」と顔に青筋を浮かべ言った
『単純に沖田と神楽ちゃんの仲を引き裂こうとかそんな古い考えなんかじゃ駄目なんだよ』
(いや、引き裂く以前にまず付き合ってねーだろ)
土方は心の中でつっこんだ
『まずあの二人の前に私達が現れてあなた達よりラブラブですよ感を見せつけるの!』
私の言葉に土方ははぁ?と眉間に皺を寄せた
『そしたら沖田はヤキモチ妬いてくるはず!』
「チャイナ娘のことが好きなのにか?」
『シャラアアアプ!!』
私は土方の顎を殴る
土方は"めちゃくちゃだなお前!!"と言って私を見上げた
『も、もしかしたらのやり方だもん!』
「は?」
『沖田が私のこと好きになる確率が1%でもあれば…何か思ってくれればって…』
今度は私が眉間に皺を寄せそう言うと土方は"仕方ねぇな"と言って私の頭をそっと撫でた。
「その作戦…協力してやるよ」
『!…ありがとう』
私が少し俯いてお礼を言うと土方は私から視線を逸らした
『土方…』
「あ、」
私が言いかけた時、土方は店の中の二人を指さした
「うまいアル!」
「だろィ?」
次の瞬間沖田が神楽ちゃんから食べ掛けのアイスクリームをとってスプーンですくい、神楽ちゃんの口元に向けた
「食べさせてやらァ…」
なななななな!!!!
私は自分でもわかるくらい嫉妬心を露にしている
私が手に持ってるアイスクリームを見て土方が「溶けてる!溶けてる!」なんて言ってるけど私の頭には完全に血が上っていてそれどころではなかった
一方神楽ちゃんは「キモいアル、返せヨ」と心底嫌そうな顔をしてるけど、あれは神楽ちゃんの照れ隠しに違いない
「いいから口開けろィ」
そう言った瞬間…
「むぐッ!」
沖田は物凄い勢いで神楽ちゃんの口にスプーンをつっこんだ!