第13章 体育祭ハプニング
え!?何…。
「あいつはむっつりスケベ野郎でィ…それに好きな奴もいるし…」
言いにくそうに顔を歪める沖田に私は一瞬頭がついていかなくなった
要するに…なに?
沖田は私が土方を好きになったと勘違いしてるってこと?
『あの…沖田?私…土方のこと恋愛対象としては別に好きじゃないよ?』
そう言うと沖田は目を見開いて「へ?」と、素っ頓狂な声を漏らした
ええええええ!!?
『いや、あの私の好きな人は依然として変わってない…ていうか、ほぼ毎日告白してるんだけど』
半泣き状態の私に沖田はただ目を見開いて驚いていた
「なんでェ…好きじゃねーのか」
そう言って安心したように笑う沖田の表情が柔らかくて思わず見惚れてしまった
『ていうか、え?土方の好きな人って?』
初耳なんだけど!!
沖田はさっきとは打って変わって不審な目で私を見るとそのままグラウンドの方へ歩いて行く
『あ、ちょっと!』
「知らなくていい」
『はい?』
「好きじゃねーんだから知らなくていいんでィ」
な!!や、やられた!
べーっと舌を出して意地悪く笑う沖田
「あれ、お前らこんなとこで何やってんだよ」
『土方!』
「銀八が呼んでる、あと来てねェのオメェらだけだ」
「マジですかィ、今行きまさァ」
土方の後に続いてグラウンドへ向かう沖田を自然と目で追っていると突然沖田が立ち止まり振り返った
「体育祭、優勝するぜィ」
『えっ……うん!!!』
私も駆け足でグラウンドへ向かった