第13章 体育祭ハプニング
『えっと、神楽ちゃんはコロナミンCで妙ちゃんが…』
「吉野…」
自販機の前で二人のジュースを選んでいると突然後ろから名前を呼ばれ振り向いた
『沖田!』
なんとそこには沖田の姿があった
『な、何でここに?運命!?』
「何わけわかんねーこと言ってんでィ。自販機の前なんだから何でもクソもねェだろ」
『あ、そ、そうだよね!』
何とも言えない気まずい空気が流れる
『あ、沖田練習はどう?』
「別に…」
そう言って自販機のボタンを押す沖田
『へ、へぇー!私はもう全然ダメなんだよね。土方となかなか意気が合わなくてさぁ。む、難しいよね?』
沖田は私の話を聞いているのかいないのか、また自販機のボタンを押してもう1本ジュースを買った
『でね、土方はもっと足を高く上げろって言うんだけど普段運動なんてしないから筋肉痛になっちゃいそうだよ』
「吉野、」
『は、はい?』
「…やらァ」
そう言って沖田は先程買ったジュースの1本を私の方に投げた
『え?…これ』
「この間のテスト、良かったんだろィ」
『あ…』
そう、この間のテストがつい最近返却され、なんと私は数学がまさかの100点だったのだ!
多分もう一生取ることのない点数だったと思う
もし90点以上ならジュースを奢ってくれるというのが沖田との約束だった
『覚えててくれたんだね!』
そう言って笑うと沖田は少しそっぽを向いた
『私イチゴ牛乳すっごく好きなんだ!』
「知ってらァ、だから買ってやったんでィ」
『えっ』
何か…意外だな。
私のこと少しは見てくれてたってことなのかな?
嬉しい、ただ純粋にそんな気持ちでいっぱいになった
グラウンドから銀八先生の呼ぶ声が聞こえてきた
『あ、休憩終わりみたいだね』
「あぁ」
『これありがとう沖田!体育祭頑張ろうね』
「吉野、」
『え?』
「土方さんは…やめときなせェ」
『…え?』