第13章 体育祭ハプニング
"少し休憩ー"という先生の合図で私は傍にある木陰に腰を下ろした
沖田はまだグラウンドで、何やらホースの水を土方に浴びせて遊んでいた
『水も滴るイイ男…』
ほんと、ある意味羨ましいよ土方。
「あら、桜ちゃん!お疲れさま」
「探したアルヨ」
『妙ちゃん、神楽ちゃん!』
二人はそのまま私の隣に腰を下ろした
「練習の方はどう?土方くんと、上手く走れるようになった?」
妙ちゃんの言葉に苦笑いする
『それがあんまり…二人はどうなの?』
「私はもう優勝は貰ったようなもんアル!あとパン20個は余裕ネッ!」
いやパン食い競争ってパンたくさん食べる競技じゃないから!!
「私は玉入れだから、練習とかあまりしなくてもいいのよ。それより玉を高く投げないとダメでしょう?だから腕の力をつける為にゴリラに的の代わりになってもらってるの」
それゴリラじゃなくて近藤くんんん!!?
妙ちゃんもうこれ以上力つけなくていいから!
「それで?沖田くんとは相変わらず?」
私の顔を覗きこんで妙ちゃんが言った
『…私って、鈍いのかな?』
「え?」
『銀八先生に言われたんだ』
- そういうとこは鈍いのな、お前 -
"鈍い"なんて…初めて言われた。
いや、確か前にも沖田に…
- 鈍感 -
『そんなに鈍いかな…私』
「鈍いわね」
「鈍いアルな」
『即答!?』
落ち込む私に妙ちゃんが言う
「私達から見たら鈍いわよ、桜ちゃんは」
『鈍いなんて思ったことないよ…寧ろ自分では結構鋭い方だと思ってたんだけどなぁ』
だって沖田の好きな物とか知ってるし、沖田の行動も大体把握してるし、その他の沖田情報もちゃんと確認してるもん。
そう言って二人を見るとかなり引いていた
「桜、オマエのそれ…鋭いんじゃなくてただの変態アル…」
『え、ちょ、泣いていい?』