第13章 体育祭ハプニング

「行くぞ」

私と土方の片足を結んで肩を組む

『オッケー！』

『「せーのっ」』

スザザザッッ

『｢…。｣』

「…なにしてんの？おまえら」

見事に一歩目から転ける私たちをみて銀八先生は言った


『ちょっと土方いい加減にしてよね！もうこれ10回目だよ！10回やって一歩も進んでないってどーゆうこと！？』

「それはこっちの台詞だ！何で俺が右足出してんのにお前も右足出してんだよ！普通は左足出すだろーが！！」

さっきからこんな言い合いの繰り返しでちっとも上達しない私たち。

『先生、私と土方って実は相性悪いのかな？』

「まぁ、良くはねェんだろうな」

そう言って銀八先生は一瞬沖田と山崎くんの方を見てから私と土方の足に結ばれていた紐を解いた

『え、先生なんで…』

先生はそのまま無言で紐を再び結び直した

！？

ちょっ何これ！


「これで転んでもぐちゃぐちゃにならなくて済むだろ」

いやいやおかしい、これはおかしいでしょ！

先生が結んだのは私と土方の足ではなく、なんと体だったのだ

「な、なんでこんなことになってんだよ！！」

土方は少し顔を赤くして言った

『いや私が知りたいし！てか何赤くなってんのやめて、うつるからやめて！』

「オメェだって赤くなってんだろーが！｣

『なってないよ！とにかく崩れないように鍛える為なんだから早く走って終わらそう！』

私がそう言うと土方は渋々納得してくれた

『じゃあいくよ！せーのっ』

ドカァーンッという爆発音と共に私と土方が吹き飛ばされた

『ぎゃああ！！ちょ、なに！？』

「総悟てめぇ！！何しやがる！」

どうやらこの爆発の原因は沖田が撃ったバズーカだったみたいだ

「あ、すいやせーん。体育祭の練習だってのにサボっていちゃついてるのかと思ったんでつい」

「誰がいちゃついてんだ！」

ちらっと沖田に視線を向けると物凄い顔で睨まれたので慌てて目を逸らした

な、なんなの？

「あらァ完全に妬いてんな沖田くん、わかりやす」

口元を手で抑えながら笑いをこらえる銀八先生

『何言ってんですか、どう見ても土方に対する嫌がらせですよあれ』

「…」

そう言う私を横目で見たあと先生は煙草に火をつけた

「そういうとこは鈍いのな、お前」

『へ？』

ポンポンと私の頭を軽く叩いて先生は去って行った


『私が…鈍い？』