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空回り【銀魂】

第12章 聞きたいこと


[沖田side]

お、焼きそばパン50円じゃねーか。

「おばちゃん、焼きそばパン2つくだせェ」

「はいよ」

昼休み、いつもなら近藤さんや土方さんたちと食べるが、近藤さんは今日は部活の部長会議で土方さんは水泳の補習らしく珍しく一人で食べることになった

ま、いいか。丁度一人で食べたいと思ってたし、それにあんま教室にもいたくねェしな。


今日は天気もいいし屋上で昼寝でもするか…。

そんなことを考えながら屋上の扉を開ける


眩しいくらいに快晴でフェンス越しにグラウンドを見ると丁度チャイナや姐さんたちの姿が見えた

俺は自然とその中からある人物を探していた

「…いねェのか」

いつもチャイナたちと行動してるから今日も一緒かと思った

…ってまた吉野かよ。

溜息をついてフェンスに体を預ける

別にどうだっていいだろあんな女、何であいつなんだよ…?

最近彼女の行動一つ一つに揺れる自分がいる

そもそも俺は恋愛に関してこんなウブじゃねェ。

彼女だって欲しくねェだけだし、好意を示してくる女は他にもたくさんいる…なのに、


なんであいつにこんなにも執着してんだ。


『だーかーら沖田だって言ってんでしょうが!』

ほら、今だってあいつが自分の名前を呼ぶ度に胸が苦しく……



は?


俺はパッと声のする方を振り向くとそこには不良生徒高杉と木島、武市、河上 そしてさっきまで俺が頭を悩ませていた女


吉野桜がいた





目を点にして高杉たちを見ていると高杉に何か言われて吉野がこちらを振り向いた


「ッ!」

慌てて視線を逸らし焼きそばパンを食べる


そんな俺に吉野は嬉しそうに近づいてきた


『な、何してるの?』

「見たらわかるだろィばか」

『…何食べてるの?』

「…焼きそばパン」

吉野を横目に素直に答えると彼女は嬉しそうに笑った

『あー!今日それ50円だったよね!私も並んだんだけどお財布がないことに気がついて…』

言い終わる前に彼女の腹が鳴った

カッと顔を真っ赤にして一時停止した吉野をみて不覚にも可愛いなんて思ってしまった俺はどうかしてるのだろうか
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