第12章 聞きたいこと
[沖田side]
教室に入り最初に目に入ったのは土方と吉野が互いに向き合って何やら喋っている姿で
その様子をみた瞬間少し胸が痛み、すぐ視線を逸らした
しばらくすると吉野が俺に気づいたらしく何やら喋りかけてきた
まぁ、どうせいつもの変な挨拶だろうからスルーしとくか。
「土方さん今日は早ェですね」
「あー…ちょっと早く来てやることがあったからな」
土方さんは言いながら目を泳がせる
ほんと…わかりやすすぎらァ。
お決まりのように土方さんをからかっていると吉野は溜息をついた
「桜ちゃん、1限目体育だから着替えに行きましょ!」
『うん』
教室を去る彼女を俺は無意識に目で追っていたらしい
土方が少し真剣な顔で言った
「オイ総悟、オメェもはっきりさせろよな」
チッ 、やっぱ気づいてやがった。
「…うるせー土方」
そんなこと…言われなくたってわかってんだよ。