第12章 聞きたいこと
「オメェ、何も食ってねーのかよ」
『う、うん…』
沖田はやれやれといった顔で私を見てきた
そして私に焼きそばパンを突きつけた
『え?これ…』
「俺2つ買ったんでィ、食欲ねェからやる」
『え…』
えええええええ!!!!?
『い、いいの?』
「あぁ、返品不可でさァ」
ま、まさか沖田が私にパンをくれるなんて…。
『どうしよう、嬉しい…』
焼きそばパンから視線を沖田に戻すと彼はそっぽを向いていた
耳がほんのり赤い気がするけど、多分気のせいだな。
『沖田ありがとう!私これ大切にするよ!』
「いや食べろよ」
沖田に向けて言った言葉に高杉くんがツッコんだ
『あ、そうだ!せっかくだから記念に焼きそばパンの写真を撮ろう!』
そう言って携帯を取り出そうとした時
『むぐっ!!?』
沖田が私の口に焼きそばパンを突っ込んだ
「さっさと食べろ変態女」
そう言った沖田の顔があまりにも近くて、思わず昨日の出来事を思い出してしまった
『ッ!』
慌てて少し距離をとると沖田は「じゃあそろそろ戻るかァ」と言って立ち上がった
どうして…そんなに私を惑わせるの。
『…ぃ』
「あ?」
『ずるい…沖田』
「は?…」
どうしてが多すぎて頭が爆発しそうだ。
でも、私が一番聞きたかったのは…
『どうしてあの日…私にキスしたの?』
沖田は目を見開いて私を見つめる
そして私から視線を逸らし、ゆっくりと扉の方へ歩いて行く
扉を開けて振り返ると彼は言った
「それくらい自分でよーく考えろィ」
『は?』
バタンッと音を立てて扉がしまった
『へ…?』
- それくらい自分でよーく考えろィ-
「ちょ、桜今の何なんスか!キスされたんスか?」
「…おめーら付き合ってたのか?」
な、
なんじゃそりゃああああ!!!?