第12章 聞きたいこと
コンビニ袋を片手に持ったまま私を見下ろす
『な、なんでここに…ていうかいつ来たの!?』
「さっき」
当たり前のようにそう答える彼
高杉くんは普段は滅多に学校に来なくて、単位もギリギリな為先生たちを悩ませている、いわゆる問題児ってやつで…私も実は少し彼が苦手だったりする
なぜなら…
「オイ、早くそこどけ…食えねェだろうが」
『ご、ごめんなさい!』
常に冷血だからです!
『ていうか特等席って何よ…普段全然来てないくせに!』
「俺たちは常にこの場所を予約してんだよ」
ん…?俺たち?
てことはまさか!
「晋助さまー!!」
黄色の髪を靡かせて勢いよく屋上の扉を開けたのは
『また子!?』
いつも高杉と共に行動する、謂わば高杉LOVEの女の子だ
「晋助さま、もう一人で先に行くなんて酷いっスよ!」
相変わらず一方通行だな。
「自分晋助さまの為に弁当作ってきたッス!良かったら食べてくださいこれ!!」
そう言ってまた子が出してきた弁当の中身はハート型に切られた野菜やハート型のおにぎりがたくさん入っていた
すごい…!
私のお腹がまたぐ~っと音を出した
「俺はさっき買ってきた、そこのアホにでも食わしてやれ」
高杉の言葉にまた子が反応して私を見る
「桜!?…なんであんたがここに晋助さまといるんスか!」
『気づくの遅ッ!…何でって、私の方が高杉より先にいたんだけど』
「ここは自分と晋助さまの二人だけの場所なんス!帰れ帰れー!」
「まあまあ、また子さん落ち着いてください。同じクラスなのですから仲良く食べたらいいじゃありませんか」
「良くないっスよ!何適当なこと言ってんスか武市変態!」
「変態じゃなくて先輩だから」
「屋上で食べるのも教室で食べるのも大して変わらんでござるよ」
「つかお前ら何ちゃっかり晋助さまの弁当食べてんだァァァ!!」
良くわからないけどこの人たちも結構賑やかだよね
「さっさと他のとこ行け」
『えー、せっかくいい場所見つけたと思ったのに』
「んなこと言っていいのかよ…あそこに沖田いんぞ」
『えっ…』
高杉の指差す方向に顔を向ければ、同じく屋上でパンを食べてる沖田の姿があった