第12章 聞きたいこと
「要するに何…お前は俺にどうしてほしいわけ」
止血をしながら土方が言う
時刻は8時を回って教室には既に何人かの生徒がいた
その間私はこの間沖田とあった出来事全てを彼に話した
『どうしてほしいっていうか、私がどうしたらいいのか教えてほしいの』
あれは一体なんだったんだろう。
どうしてキスなんか…。
ボッと私の頭から湯気が出た
「おい!大丈夫か吉野!?」
思い出すだけでも死にそうだ。
『あのキスはただの気まぐれだったの?ねぇ土方』
「知らねーよ!俺に聞くな!」
『な、相談乗ってくれるって言ったくせに!』
「いや言ってねーけど!つーかなんで俺なんだよ」
何でって…
『沖田といつも一緒にいるし』
「んなの近藤さんだってそうじゃねーか」
『近藤君は…なんかいいや』
「俺の扱い酷くない!?」
突然後ろから近藤君が出てきた
『近藤君!ってことは…』
ひょいっと近藤君の後ろを見ると携帯をいじりながら教室に入って来る沖田の姿があった
ど、
『どどどどーしよ土方!!助けてー!!』
慌てて土方の首を掴むと彼は「首絞まるっ!俺が助けて」と顔を青くした
次の瞬間、沖田と目が合ってしまった
『ッ!』
何か言わなくちゃ!いつも言ってるやつ!ほらあれあれ!
『お、おはよう沖田!今日も夜空に一際輝く星の如く凛々しくてカッコイイね!』
「オメーはよくそんな歯が浮くようなセリフ毎日言えるよな。あとそれ男の台詞だから」
少し引き気味に土方が何か言ったけど気にしない!
沖田はイヤホンを外しながら自分の席に座った
ていうかさっきの聞こえてなかったよね!明らかに今イヤホン外したよね?
「土方さん今日は早ェですね」
「あー…ちょっと早く来てやることがあったからな」
「あ、ひょっとして土方さん抹殺計画に協力してくれるんですかィ?」
「土方さん抹殺計画って何!?何で自分の抹殺を自分で計画しなきゃなんねーんだよ!!」
お決まりのやり取りが始まる
やっぱり沖田は…
いつも通りだな。
「桜ちゃん、1時限目体育だから着替えに行きましょ!」
『うん』
やっぱあれは沖田にとっては何の意味もないことだったのかなぁ…。
「…」
「オイ総悟、オメェもはっきりさせろよな」
「…うるせー土方」