第12章 聞きたいこと
「朝っぱらから話があるとか言うからわざわざいつもより早めに来てみれば…また総悟かよ」
溜息をついて私を睨む土方の前に手を合わせ頭を下げる
『お願い!!今回はほんとに困ってるの!土方のアドバイスがほしいの!助けて!!』
「はぁ?困ってるって何がだよ」
『その…最近沖田がカッコ良すぎて…』
「帰るわ」
『ちょ、ちょっと待って!そうじゃないから!』
荷物を持って教室を出ようとする土方を引き止める
「なんだよ、いつもの惚気じゃねーか。んなもんに付き合ってる暇ねェんだよ」
『の、惚気ってなんじゃあああい!!!』
「グハァ!!」
ドゴォと音を立てて土方に蹴りを入れる
「オメッ!何すんだそれでも女子か!!」
『…の!』
「あ?」
『キスされたの!沖田に!』
大声で言った私の頬は自分でもわかるくらい真っ赤だったに違いない
土方はただポカンっと口を開けて私を見つめた
「…は?」
『は…鼻先だったけど…』
土方はしばらく黙ったあと私の肩をガシッと掴んで言った
「それ妄想じゃねーよな」
『…。』
今度は私の鉄拳が飛んだ