第9章 勉強会
[沖田side]
まァ…薄々わかってはいた
俺もさすがにこいつと二人きりで家にいるなんざ出来ねぇだろうし、ありがてェとは思うが。
「いやーまさか桜ちゃんの家にお邪魔することになるなんてな!なートシ!」
「ま、他にやることもなかったしな」
「またまたそんなこと言って土方さん、ほんとは来たかったんでしょ!」
「うるせーぞ山崎!」
てめーらちっとは気ィ遣いやがれ!!
『じゃあ私お茶持ってくるから、沖田も適当にその辺に座っててね』
そう言って台所の方へ行く吉野
「にしても今日の桜ちゃん髪型がいつもと違ってなんか新鮮…というか可愛…」
「あ?なんか言ったか山崎殺すぞ」
「い、いえ!な、ななな何でもありません!!」
そんな俺と山崎を見て土方さんは溜息をついた
「てか…どういうことなんですかィこりゃあ」
土方さんは頭を掻きながらめんどくさそうに話始めた
「実は昨日、吉野から電話があって…」
- 昨日-
「はぁ?家に来いって…」
『じ、実は勢いで沖田と約束しちゃって!!だからその…土方も一緒に勉強しよう!それじゃあ!』
「…。」
「てな具合でかけてきて、」
「その電話が私やアネゴたちのところにもきたアルヨ」
チャイナの言葉に姐さんは微笑みながら言った
「つまり桜ちゃんは沖田くんと二人っきりだと緊張しちゃうから私達を呼んだのね」
今さらだろィ…。
『みんなお待たせー!クッキー作ったからよかったら食べてね』
「キャッホーイ!桜の手作りアル!」
『味は自信ないんだけどね…』
美味しいヨ!とガツガツ食べるチャイナを見ていると吉野が俺の前にクッキーを差し出した
『はい、沖田もどうぞ!』
「…おぅ」
ほんのりココアの香ばしいクッキー。
『ど、どう?』
まじまじと俺を見つめる吉野にデコピンを一発お見舞いした
でこを押さえながら眉間に皺をよせる彼女の耳元にそっと顔を近づけた
「うめェじゃん」
『ッ!?』
一瞬顔を真っ赤にした彼女はすぐに笑顔になって…
『よかった!』
あぁ…俺はこの女の笑顔には弱い。
「つーかお前料理出来たんだな」
『失礼な、出来るわ!』
彼女の鉄拳がとんできたのはそれから5秒後のことだった