第6章 来たよ!!!体育祭!!!
やって来たよ体育祭当日。
僕は今現在、特等席と云われた実況席に向かう道中であります。
先生さー、僕の厄災知らないでしょ。
一人で行かせたら十中八九治くんが仕掛けたトラップとやらに引っ掛かるんだよ。
「ぅぁっ」
「ぴぎゃっ」
「ふぇっ」
今日だけでも既に三件、上から油虫の玩具が上から降ってきて、かと思えば蜥蜴の動く気持ち悪いやつがうねうねしてきて、最後は蜂。今日は虫が好きな日なのかな。
僕が虫嫌いなの知っててやってるのが治くんだよね。知ってた。会ったら絶対殴る。
「遅せぇよ」
「誰ぇぇぇぇ!?」
突如下から掛かった声。見下ろすと、芋虫みたいな感じで寝袋に絡まってる(収納されてる)相澤先生。怖。新手のトラップかと思ったじゃん。
「俺だよ。見りゃわかんだろ」
「見て分からないから叫んだんだよ」
「そうか。行くぞ」
「あっ、うん」
そのまま省エネみたいに、うにょうにょ動くんじゃない。気持ち悪いだろ。見てる側が。
そしてきっとそっちの方が体力使う。僕が気にすることじゃないから無視するけどね。
「ほら、此処だ」
相澤先生に会ってからは見事なまでにトラップが外れ、無駄に心拍数を上げることはなくなった。
これも全部計算済みとか知らないからね。着いたのは競技するステージが見下ろせる見晴らしのいい所。
「おせーよ相澤。東条見つかったか?」
「あ、プレゼントマイク?先生だー!やっほ〜元気?」
「相変わらず敬語ねぇのな!元気だぜ!!」
「ぶっちゃけ敬語とか要らないっしょ」
「Wow!ハッキリ言っちゃう系の男子?nice!!」
この人マジでなんなんだ。
情緒が掴めなくて困っちゃいますわぁ。お前が言うなって?なんだよ釣れないなぁ。
「うるせぇ。お前ら二人揃うと倍以上煩くなるんだよ」
「そんなわけないでしょー!?」
「俺だって大人しい方だぜ!?」
「そういうとこだよ」
「「どゆこと?」」
「はぁ…」
二人揃って先生に盛大なため息をつかれちゃった。悲しいねぇ。
ま、どーでもいいけど。