第5章 体育祭が!!来る!!…一歩手間
「ところでさーあ」
「なんだ」
「僕はいつまで入院するんだい?」
「回復したら、と言いたい所だがメンテナンスがあるらしいから俺にも分からん」
「ねーぇ、メンテナンス厭なんだけど」
「知らん」
「国木田くん変わって?」
「無理だ」
「なら国木田くんは何時までここに居るのさ」
「あー!!もう!!!俺はもう帰るぞ!!貴様が目覚めるまでの約束だったのに!!暫く雑談するとか!こんな予定は手帳に書かれていない!!」
此処病室だってのに騒ぐのが好きだねぇ君は。
僕の所為じゃ無いよ?
「誰との約束かな〜?」
「貴様には関係ない」
「僕の事なのに関係ないとか酷くなーい?」
「まだ言えん…と云ってもお前はすぐに分かるか、」
なんで僕が異能力使う前提なんだろうか。
僕だって使わない時は使わないよ。
なんなら疲れるからあまり使わないけどなぁ。
「僕、知られて欲しくない事は聞かないよ、だからさ、国木田くん、偶にで良いから、僕に逢いに来て」
思わず子供みたいな口調になってしまった。あれ、可笑しいなぁ。こんな筈じゃ無かったのに。
「…嗚呼、また来る」
ぎゅ
フラフラする身体を気合いで立たせ、去り際の国木田くんに抱き着く。
「うん、待ってるから、…死なないで、」
もうそう簡単に人が死ぬ世界じゃなくなったとしても、心配は尽きない。だから、例え此が一種の呪いのようなものだとしても僕に縛っておかないと。
「…任せろ」
頭を撫でてふわりと笑ってくれた国木田くんが、とても暖かかった。