第3章 いざ、雄英高校へ
「芥川の記録は凄いよ。僕じゃ抜けない」
「いえ、それほどでも、」
僕を労おうとして此方に来てくれた敦と芥川。
芥川は二番目だったらしい。順番が。
青山とか云うナルシストが居て気持ち悪かったと先程聞いた。
記録は3.2秒。羅生門が青色なのは目を瞑ろう。
「敦はこれからか。頑張ってね」
「っ、はいっ!!!」
軽く頭に触れると溢れんばかりの笑みを浮かべた。
可愛い。
「頑張る必要などないぞ貴様」
「煩い芥川!!」
治くん、どうしたらこの二人は仲良くしてくれるのでしょうか。
僕が話を聞いていなかった(自覚は無い。聞こえなかった)から、クラスメイトによくよく説明を聞いてみると、この体力テストで最下位の人は除籍処分になるらしい。
赤髪少年に教えてもらった。名を切島鋭児郎と云ふ。
個性は硬化らしい。筋肉馬鹿だと思う。
あの感じは。鐵腸にそっくりだ。
まぁこの高校に入学しているだけあってこの子の方が幾分賢いと思うが。
あと、俗に云う陽キャとやらはこの子の為に生まれてきた言葉のようなものだ。絶対に。