第3章 いざ、雄英高校へ
入学式当日───
「誠人、轟くん?って子が来てるよ」
朝僕を起こしたのは、無機質な機械音でも爽やかな鳥の声でもなく母の声だった。
「は、轟、くん?」
聞き間違いだろう。寝ぼけてるのかな僕。
「雄英の制服着てるし一年生で、誠人の中学のクラスメイトだって」
轟だ。
轟焦凍だ。
「ぇと、」
「外で待たすの悪いから、上がってもらったよ」
母上よ、今何時だと思ってる。朝だぞ。
普通友達だと云われても(云われてない)入れるか?
普通を知らないが。
「…ま、遅れちゃ悪いしな」
母も大概なら僕も大概だろう。